1995年1月17日、阪神・淡路地方を巨大な地震が襲いました。
阪神淡路大震災から、今日で25年。
震災の記憶が風化しつつある今日、震災を教訓に、地震について考えてみたいと思います。
そこで、今回は、地震切迫度について、
- 地震切迫度とは?
- 地震切迫度Sランクとは?
- 地震切迫度Sランクの活断層はどこ?
について、調査していきます。
また、この記事の後半には、地震切迫度に関する動画を掲載しております。
ぜひ、合わせてチェックしてみてくださいね。
地震切迫度とは?
まずは、「地震切迫度」とは何かについて、調査してみました。
地震切迫度とは、活断層の地震リスクを
「30年以内に大地震が起きるリスク」として評価したものです。
2016年までは、「地震発生確率」として、
「30年以内にマグニチュード(M)7.0程度の地震が発生する確率」が公表されてきました。
しかし、この地震発生確率では、最大震度7の地震を起こした「布田川断層帯」について、
2016年1月には「ほぼ0~0.9%」と発表されていました。
「ほぼ0~0.9%」という確率は、「やや高い」という評価となります。
2016年4月の熊本地震は、この布田川断層帯の活動によるものとされており、
評価は正しかったと言っていいでしょう。
しかし、その後の国会審議や専門家などから
「30年という長い期間でのリスクをパーセントで言われても分かりにくい」
「降水確率のように、“地震が起こらない確率”が高く見えてしまい、かえって安心情報になっている」
などの指摘・批判が相次ぎました。
そこで新しい表示法として、地震切迫度という表示方法が採用されたのです。
地震切迫度Sランクとは?
地震切迫度は、30年以内に大地震が起きるリスクを
「Sランク(高い)」
「Aランク(やや高い)」
「Zランク」
「Xランク(不明)」
の4段階に区分しています。
Sランクは、30年以内の地震発生確率が3%以上
Aランクは、同0.1~3%未満
Zランクは、同0.1%未満
Xランクは、確率が不明だが、すぐに地震が起きることも否定できない
となります。
数値より、発生確率が高いのか低いのかが分かりやすくなっていますね。
従来の地震発生確率では、活断層が過去に動いた記録などから、30年以内の発生確率を予測して、
3%以上を「高い」、0.1~3%未満を「やや高い」、とし、それ以外は「表記なし」としてきました。
しかし、活断層は数千年単位で動くため、
地震学の時間軸では短い30年スパンでは、確率の数値が小さくなります。
そのため、国民や自治体の防災担当者に誤解を与えやすかったのです。
地震切迫度Sランクの活断層はどこ?
30年以内に大地震が起きるリスクが高い、
地震切迫度Sランクの活断層がどこにあるか防災面から気になりますよね。
2019年1月1日の時点で、地震切迫度Sランクと評価されている活断層は、
全国に31あるそうです。
この31の活断層では、地震が起きる切迫度が
阪神・淡路大震災の直前と同じかそれを上回っています。
Sランクの中でも特に切迫度が高い8つの活断層
31の活断層の中でも、確率が阪神・淡路大震災が発生する直前の8%を超え、
特に切迫度が高いとされているのは、下記の8つの活断層帯の一部区間です(切迫度の高い順)。
- 「糸魚川-静岡構造線断層帯」(長野県と山梨県)
- 「富士川河口断層帯」(静岡県)
- 「日奈久断層帯」(熊本県)
- 「境峠・神谷断層帯」(長野県)
- 「中央構造線断層帯」(近畿から四国北部、九州北部)
- 「阿寺断層帯」(岐阜県と長野県)
- 「三浦半島断層群」(神奈川県)
- 「安芸灘断層」(広島県と山口県の沖合)
他のSランクの活断層
前項の8つの活断層の他のSランクの活断層は、下記のとおりです。
- 森本・富樫断層帯:石川県
- 山形盆地断層帯(北部):山形県
- 高田平野断層帯(高田平野東縁断層帯):新潟県
- 宍道(鹿島)断層:島根県
- 警固断層帯(南東部):福岡県
- 砺波平野断層帯・呉羽山断層帯(砺波平野断層帯東部):石川県
- 弥栄断層:島根県
- 日奈久断層帯(日奈久区間):熊本県
- 庄内平野東縁断層帯(南部):山形県
- 新庄盆地断層帯(東部):山形県
- 黒松内低地断層帯:北海道
- 櫛形山脈断層帯:新潟県
- 奈良盆地東縁断層帯:奈良県から京都府
- 砺波平野断層帯・呉羽山断層帯(呉羽山断層帯):石川県
- 高山・大原断層帯(国府断層帯):岐阜県
- サロベツ断層帯:北海道
- 塩沢断層帯:神奈川県
- 周防灘断層帯(周防灘断層帯主部区間):山口県
- 菊川断層帯(中部区間):山口県
- 雲仙断層群(南西部/北部):長崎県
- 木曽山脈西縁断層帯(主部/南部):長野県から岐阜県
- 十日町断層帯(西部):新潟県
- 上町断層帯:大阪府
- 三浦半島断層群(主部/衣笠・北武断層帯):神奈川県
- 琵琶湖西岸断層帯(北部):滋賀県
- 福智山断層帯:福岡県
まとめ
ここまで、地震切迫度について、
- 地震切迫度とは?
- 地震切迫度Sランクとは?
- 地震切迫度Sランクの活断層はどこ?
について、調査してきました。
25年経ち、阪神淡路大震災の記憶が風化しつつある中、
地震に対する備えをしておかなければならないという想いを新たにしました。
東日本大震災や熊本地震などからの復興もままならない今、
これ以上の災害は起きてほしくありませんね。
Sランクの活断層のお近くの方は、この機会に、
防災に関してご家族で話し合っておかれてはいかがでしょうか。
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