ソフトバンクは今季、
5年連続日本一という大きな目標を達成することができませんでした。
リーグ連覇の夢も絶たれました。
しかし、逆をいえば、それだけ「黄金期」を作り上げてきたことの裏返しでもあります。
ソフトバンクというIT企業の莫大な資金を武器に、
戦力を整え、環境を整え、人を育ててきました。その成果だったと思います。
しかし、やがてそれも過渡期を迎えることになりした。当然の成り行きでしょう。
今年がその「頂点」でもあるのだと感じます。
責任を取る形で工藤公康監督が今季限りで退任する意思を固めているようです。
いろんなメディアが監督問題、次期政権問題を取り上げていますが、
今後、この王国チームはどのようになるのでしょう。
一番核となるのが、監督です。
誰が指揮官となるのか。この点を考えてみることにします。
・ソフトバンクの次期監督候補予想2022!
・ソフトバンク工藤公康監督のこれまでの成績は?
・2021年ソフトバンクが急に弱くなった理由は?
について紹介していきます。
ソフトバンクの次期監督候補予想2022!
藤本博史
工藤監督の後任は藤本二軍監督が就任することが濃厚だと各メディアが一斉に報じました。
南海ホークス時代から、ひげの選手として知られ、
三塁手から二塁手とポジションを替えながら、
自慢の打撃力を披露してきました。
最後はオリックスに移籍して引退しましたが、
その後は秋山監督時代の打撃コーチに就任し、一軍と二軍の打撃コーチを歴任。
19年三軍監督、21年からは二軍監督となっていました。
若手選手、とくに打撃陣を育てていく手腕が買われ、
球団内部からの信頼は厚いものがあります。
現在のホークスの中堅クラス野手のほとんどは、
藤本コーチの元で育っているといっても過言ではありません。
柳田、中村晃、今宮をはじめ、最近ではリチャード、三森、牧原、
今年はケガで出場していませんが、周東など、打撃については藤本コーチの目を通っています。
これから再び強いホークスを作らないといけない状況で、
若手育成の実績を買われて一軍監督へと内部昇格するのはある意味自然な流れかもしれません。
小久保裕紀
今季から一軍ヘッドコーチに就任し、
工藤監督を支える役目を担いました。
ホークスに入団し、本塁打王を取り、
練習量も豊富で努力で結果を残してきたプレーヤーです。
巨人への移籍もありましたが、最後はホークスで引退し、
幹部候補として育てられてきた経緯があります。
「武者修行」として侍ジャパンの監督にもなりました。
評論家となってからは、監督就任の噂が絶えず、
今季からヘッドコーチになったことで、22年からは小久保監督誕生の流れだったと思われます。
しかし、チームの成績があまりにも悪くなってしまいました。
それも野手の起用については、ほとんど小久保ヘッドコーチに任せられてきたなかで、
あきらかに攻撃陣の不振が響いての今季の4位の成績となりましたので、
さすがに監督就任とはなりづらかったのでしょう。
しかし、来年ではないだけで、再来年以降の監督就任の可能性は十分にあります。
報道によると二軍監督を任せられるようで、
秋山監督がそうだったように二軍監督を経ての
監督就任の流れをつくりたいのだと思います。
藤本監督就任が濃厚ですが、ネームバリュー的なことを考えれば、
長期政権とは考えにくく、「つなぎ」としての意味があり、
小久保監督への流れになっているのだろうと考えるのが自然です。
城島健司
電撃的に20年からチームに復帰しました。
ホークスでは「打てる捕手」として王ダイエーを支え、
リーグ優勝、日本一と黄金期を作り上げました。
メジャー、阪神を経て現役引退後は「釣り人」として有名になっていましたが、
王会長付き特別アドバイザーとしてフロント入りしています。
常時いるわけではありませんが、勝負どころで
選手へ、チームへ、アドバイスをしてきました。
今回、工藤監督の後任に名前が挙がりました。
表にはしていませんが、本人も監督への意欲はあるようで、
いつでもできる準備を整えていると思います。
今回はないかもしれませんが、チームを知る、
一番ネームバリューがある人材なので、
新時代を築き上げるにはもってこいの人物かもしれません。
秋山幸二
元ホークスの監督です。
西武では清原、デストラーデとクリーンアップを組み、
当時最強チームの軸にいました。
電撃トレードでダイエーに移籍後は経験と後輩の指導も含め、
主将としてチームをひっぱり、王ダイエーの黄金期を支えました。
09年からはソフトバンクの監督として10、11年に連覇。
14年はオリックスとの最終戦で勝利して優勝という劇的Vを導きました。
家庭の事情で14年限りに監督を退いたあとは、
地元テレビなどの評論家として活躍しています。
しかし年齢もまだ若く、監督として実績、ネームバリューともに大きい人材として、
他球団からも監督候補として名前が挙がるほどです。
ホークス監督復帰の話も出始めていましたが、今回はないかもしれません。
ただ、監督としてだけでなく、野手の育成も実績があり、
入閣としても引っ張りだこの人材であることは間違いありません。
松中信彦
ホークスの主砲として「平成唯一の三冠王」の実績を持ちます。
西武松坂からバットを折りながら本塁打を放ったり、
とにかくパワーは外国人レベルで、なおかつ小久保同様、
練習の鬼としても知られ、キャンプ名物のロングティーも
松中選手が伝統を作りました。
しかし、引退後は指導者として、または指揮官としては評価されていないようで、
他球団も含めてコーチの話もありませんでした。
20年には四国アイランドリーグの香川オリーブガイナーズのGM兼監督を務め、
今年からはロッテの臨時打撃コーチも務めています。
しかし、現役時代の実績とは違い、指導者歴はあまりないのが現状です。
監督候補として名前が挙がらない時期も長くなっていますので、
今後も監督候補になる可能性は低いと考えられます。
平石洋介
藤本二軍監督同様、若手選手を育成する手腕では球団内部の評価は高いです。
楽天の監督退任後、20年にチームに入団。
野手総合コーチとして工藤監督を支えました。
20年のリーグ優勝については、平石コーチの提案で、
ほぼ毎日日替わりの打線を組むなど、コロナ禍シーズンという特別なシーズンでも、
最高の成績を残すことができました。
十分な調整期間がなくシーズンに突入したためオーダーを固定せず、
調子が上がっている選手を、従来の打順の固定観念にこだわらずに起用する案を監督に提示していたようです。
もちろん、最終的には工藤監督が決めましたが、
作戦参謀的な役割として評価されました。
さらに、若手選手の栗原、周東、牧原、川瀬、三森、釜元らを
引き上げることができたのも、的確なアドバイスをした
平石コーチの成果だったとも言われています。
楽天の監督経験もあり、当然監督候補として名前が上がるでしょう。
松坂世代の一人としてまだ若く、
ファンからも監督待望論も湧き上がっているようです。
いつ監督に就任してもおかしくない人材です。
ソフトバンク工藤公康監督のこれまでの成績は?
工藤監督の実績はすさまじいものがあります。
今年までの7年間で、リーグ優勝3度、日本一は5度です。
短期決戦に強く、優勝できなくても17年から20年までは4年連続日本一。
それも19年、20年は巨人相手に1敗もすることなく日本一になりました。
西武時代から短期決戦に強かった経験もありますが、
データに基づいた分析力は評価が高く、
それによって選手起用を行い、成果を挙げてきました。
ドラフト制導入後の監督としては最速の837試合で通算500勝を達成。
ホークスとしての歴代監督としても鶴岡、王に次ぐ
歴代3番目の勝利数を誇っています。
日本シリーズでは18年の第3戦から、12連勝をマークしています。
この記録はまだ継続中となります。
成績は以下の通りです。
2015 1位 90勝49敗4分け 勝率.647 防御率3.16 ★
2016 2位 83勝54敗6分け 勝率.606 防御率3.09
2017 1位 94勝49敗0分け 勝率.657 防御率3.22 ★
2018 2位 82勝60敗1分け 勝率.577 防御率3.90 ★
2019 2位 76勝62敗5分け 勝率.551 防御率3.63 ★
2020 1位 73勝42敗5分け 勝率.635 防御率2.92 ★
2021 4位 59勝62敗21分け 勝率.488 防御率3.23
(21年は10月24日現在)
2021年ソフトバンクが急に弱くなった理由は?
野球の世界では黄金期が強ければ強いほど、長ければ長いほど、
必ず弱い時期がくるのが常識と言われています。
どうしても選手が固定され、そのまま年齢が高くなって、
戦力が一斉にダウンする時期がくるからだと言われています。
ソフトバンクもそのパターンだと思われます。
その他としては、小久保ヘッドコーチがベテランの起用にこだわったとか、
故障者が多かったなどがありますが、弱くなった大きな要因ではなかったと感じます。
誰が監督であろうと、この時期は仕方ないのです。
そういう意味では、フロントが先を見て選手の補強、
育成のプランを描くことができなかったことの方が
要因として強いかもしれません。
ドラフトの戦略、外国人の戦略、選手育成のプランなどで、
うまくいかなかった点は否めません。
戦力が偏ったり、補強ポイントを間違ったりしなかったら、
うまく選手の世代交代ができたかもしれません。
まとめ
ここまでで
・ソフトバンクの次期監督候補予想2022!
・ソフトバンク工藤公康監督のこれまでの成績は?
・2021年ソフトバンクが急に弱くなった理由は?
について紹介してきました・
王貞治球団会長を頂点とするソフトバンクホークスは、
ここ10年、パ・リーグならず、日本のプロ野球の頂点に立ち続けてきました。
王ダイエー最終年も最下位だったように、
工藤ホークスは初のBクラスで終わりを告げます。
成績が出なかったら監督が責任を取るのが当たり前の世界です。
ホークスの場合は、成績を挙げるイコール、記録的な勝利しかありません。
優勝して当たり前のムードのなか、「優勝以上」の成績を求められていました。
工藤監督の功績を引き継ぎ、次期監督がまた黄金期を作り上げていかなくてはいけません。
「王⇒秋山⇒工藤」で盤石なチームを作り上げました。
この功績の大きさは次期監督に重くプレッシャーとしてのしかかるかもしれません。
短命に終わる可能性も十分です。
強いチームの宿命ですが、
監督の手腕次第では再び浮上してくるのはちょっと先となるかもしれません。
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