2019年12月4日深夜、JR東海の新型気動車「HC85系」が、愛知県豊川市の日本車両豊川工場から自力走行で出場、5日未明にかけて名古屋駅までの試験走行を行いました。
HC85系は、現在、特急「ひだ」「南紀」で使用されている「キハ85」の置き換えに向けて開発されているJR東海初のハイブリッド方式の気動車です。
そこで、今回は、HC85系について、
- HC85系とは?
- キハ85とは?
- HC85系とキハ85の違いは?
について、調査していきます。
また、この記事の後半には、HC85系に関する動画を掲載しております。
ぜひ、合わせてチェックしてみてくださいね!
hc85系とは?
2019年10月28日、JR東海が開発を進めているハイブリッド方式の次期特急車両について、名称とシンボルマークを発表しました。
この次期特急車両が、HC85系です。
HC85系は12月4日の試運転で、想定外の自走での出場をして、見守る鉄道ファンを驚かせました。
「HC」は、「Hybrid Car」を意味しています。
つまり、HC85系最大の特徴は、エンジンで発電した電力と蓄電池の電力を組み合わせて、
モーターを回して走るハイブリッド方式の気動車であることです。
JR東海は、鉄道車両としては国内初となる
最高速度120km/hの営業運転を目指しています。
HC85系のシンボルマークは、特急「ひだ」が走る高山本線と
特急「南紀」が走る関西・紀勢本線の沿線の
紅葉と海を赤と青の2色でイメージしたものです。
さらに、グラデーションにすることで、ハイブリッド方式を表しています。
形状は、車両の帯に合わせた3本の流線形状となっており、スピード感を表現します。
シンボルマークは、先頭車両の両側面に1か所ずつ、1編成あたり4か所に配置されるそうです。
JR東海の新型車両、HC85が出場しました。
編成はD編成でハイブリッドなのか車番はクモハが付与されていました。
撮影された方お疲れ様でした。 pic.twitter.com/wvgk40GT0N— わっきー (@Nishitan_1031) December 4, 2019
HC85系は、今後、1年間をめどに基本性能試験や長期耐久試験などを行う予定です
量産車の投入は、計画では2022年度が目標とされています。
キハ85とは?
キハ85は、JR東海が発足して最初に開発した特急用気動車で、ディーゼルカーです。
キハ85が登場したのは1989年(平成元年)のことで、
「ワイドビュー」という愛称が似合うデザインが画期的でした。
キハ85の先頭車は、展望を重視した3次曲面前面窓で、
運転席の上部にはサンルーフが設けられています。
また、他の車両と連結して通り抜けができる貫通扉を中央に設け、
編成の両数を変えて繁閑に応じた柔軟な運用を可能にしました。
これらの特徴を持つキハ85は、デビュー当時、「時代の最先端を行く」存在。
でもやっぱキハ85の方が良いなあw pic.twitter.com/8zRcVWHxnh
— わいどびゅー (@WVEXP) December 4, 2019
高山地区の栗、南紀方面の二枚貝といった曲面になった特産物をデザイン化して、先頭の形状が決まったと言われています。
側面の縦95cmの大型曲面ガラスの窓は、
高山本線沿線の飛水峡や中山七里といった景勝地を車窓から楽しめるように採用されました。
また、普通車でもシートピッチが100cmあるリクライニングシートで快適性を向上、
座席の床面を通路より1段高くすることで、長めの良さを確保しています。
新時代の到来を告げるように重低音を響かせて登場したキハ85の外観のデザインは、
その後登場したJR東海のほとんどの新型車両に受け継がれています。
hc85系とキハ85の違いは?
HC85系は、特急「ひだ」「南紀」で使用されている
気動車キハ85との置き換えに向けて開発されてきました。
HC85系とキハ85の最大の違いは、
それぞれハイブリッド方式とディーゼルであることです。
重低音を響かせて新時代の到来を告げたキハ85に対し、
HC85系は静かなエンジン音と電車のモーター音のような音で走行します。
HC85系
陸送と思ったらまさかの自走!
豊川から出てしまったので急いで戻ってなんとか西小坂井で見られました。
うまくは撮れなかったのでまた明るいときなどに。 pic.twitter.com/5m3bERz8xp— ワイドビューごっち (@gochichichi3) December 4, 2019
従来の国鉄車両が時速100㎞までしか出せなかった当時、
キハ85系は電車並みの最高速度120km/hを実現していました。
HC85系も、営業運転で120㎞/hを目指しており、速度の点では相違がないと言えるでしょうか。
一方、「ワイドビュー」がウリとも言えたキハ85と異なり、
HC85系では運転台が広くなっており、前面展望はできなくなっていて、運転席のサンルーフもありません。
現在は、安全面から衝撃吸収設計がトレンドとなっているうえ、
「南紀」では鹿衝突事故が多く、「ひだ」では落石衝突による配車歴があったことから、前面展望が廃されたと思われます。
また、キハ85のグリーン車は2列+1列の3列シートだったのに対し、
HC85系のグリーン車は4列シートとなっています。
3列シートはワイドビューと合わせて人気が高かったのですが、
HC85系では快適さより経済性が優先された結果と思われます。
おはようございます。
本日もよろしくお願いします。名古屋車輌区に新しく仲間入りしたHC85系 D1編成をお出迎えしたキハ85系と共に。
2019.12.05 pic.twitter.com/rt4TwYqNap— ミエナイ チカラ (@kuma_kumao_1) December 4, 2019
まとめ
ここまで、HC85系について、
- HC85系とは?
- キハ85とは?
- HC85系とキハ85の違いは?
について、調査してきました。
いかがでしたか?
JR東海の特急としては、20年ぶりのニューフェイスとなるHC85系。
お目見えするのを待ち望んでいた鉄道ファンも、多かったと思います。
一方、置き換えで引退するキハ85を惜しむ声も多いですね。
HC85系の量産車が投入されるのは2022年度の予定なので、
キハ85に乗りに高山方面や南紀方面にお出かけしてみてもいいかもしれません。
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